
2025/05/03
塗膜に親水性を付与する一般的な方法このブログではAIで得られる知識を超えることを信条と基準にしています。
塗膜のセルフクリーニング機能がその親水性に比例していることはもう30年以上前から知られてきましたが親水性にする方法が難関でした。親水性は吸湿性や水溶性に繋がり、つまり外装塗膜に絶対必要とされる耐候性&耐水性を大幅に低下させることになるからですね。表面だけを都合よく親水性にするといいのですが、そんな都合のいい成分はそんなに多くは存在せず、結局実用に至っているのは「オルガノシロキサン」というシリコーン化合物だけです。オルガノシロキサンはちょうど水の表面に油膜が張るように塗装後に表面に浮かび上がってくる性質がありますが、親水性はそれが加水分解されてシラノール基Si-OHに変わってからで、それまでは撥水性のままです。親水性を謳っているサイディング材でも倉庫で在庫している間は湿気が少ないので加水分解せず、ずっと撥水性のままです。これは塗膜の耐候性を損なうことなく表面を親水性にする有力な手段ですが・・・一つだけ難点があります。シラノール基はそれ同士が縮合して徐々にシロキサンに戻ってしまう性質があるのですね、ガラスです。だから親水性も徐々に低下します。また、表面が薄くガラスに覆われた状態になるので塗り替えはガラスへの再塗装と同じになりますのでちょっと難しい点が出てきます。当社では光触媒&クリヤーも含めて再塗装用の仕様もご用意しておりますのでご興味の折にはご連絡ください。
2025/04/01
アルミ建材は実はアルミニウムそのものではないいつも逆説的なお話をしますが、事実のみをお伝えしているつもりです。
アルミニウムは非常に腐蝕しやすい金属なので長期間の耐久性を付与するために陽極酸化処理を行います、アルマイト加工ですね。金属アルミニウムの表面に酸化アルミニウムの膜を形成させること工程です。自然に進む場合もありますが超耐候性を得るために陽極反応で強制的に形成させます。分厚くて耐候性&絶縁性&硬度の高い酸化アルミニウムの層が形成されますが構造はちょっと複雑で、さらに耐候性を補うために封孔処理と電着アクリルクリヤー塗装を行います。
ここまでの工程を終了したアルミニウム材を2次電解アルミニウム材と称していまして、我々が日常的に目にしているアルミ建材はすべてこの2次電解品ですね。
とくにブロンス色のものは封孔処理前に細孔に銅イオンや鉄イオン系の色素を閉じ込めてそれで発色させています。
というわけで、アルミ建材は金属光沢があるのですが実はアルミ素地が剥き出しではなくアルマイト皮膜とクリヤー被膜に強固に覆われていますので広い意味で単なる塗装面です。ただ、良導電性のアルミニウムの表面に絶縁性の高い層が形成されていますので帯電しやすく、静電気に吸い寄せられる黄砂や花粉を含むホコリ汚れが付着しやすいのが最近の問題ですね。かんたんに高い親水性と導電性を付与できる我々の光触媒クリヤーが貢献できる分野です。