
2025/07/26
木材の保存のための光触媒とその実例一般的な塗装面や石材、コンクリート面の美観維持と異なり、木材はそれ自体が微生物のエサにになりますので長期の保存はとくに湿潤雰囲気ではたいへんです。木材は主にセルロースとリグニンから構成されています。鉄筋コンクリートの鉄筋とコンクリートの関係に似ていますが、両方とも腐朽菌で分解されます。カビはリグニンには生えにくいですが腐朽菌でリグニンが分解されると生えやすくなります。要は腐朽菌の繁殖を防ぐことが重要ですね。もっとも人体に無害で有効な成分が銅イオンCu2+です当社光触媒の本領発揮です。
その実証例なのですが今般、温泉浴場クリーニング専業のお得意先から貴重な画像をいただいたのでご紹介します。
室内大浴場の木質壁面に当社の金属銅粒子含有光触媒を1年前に施工頂きました。照明が暗いので室内光対応といえども酸化チタンでは反応が不十分なのでここでは酸化タングステン系を採用頂きました。それの1年後の現状がこの画像です。ほぼ完璧に劣化が抑えられていますね。通常は1年後でこのような姿になるそうです。カビが生えていますからリグニンの分解まで進行していることが分かります。
余談ですが当社での光触媒反応で発生する銅イオンCu2+は既述のようにシロアリ防止にも有効です。
防蟻木材はうっすらと緑色を呈していますが、これは内部まで銅イオンCu2+を注入しているからですね。人体に無害でヒ素にもまさる防蟻効果を発揮します。
2025/07/01
職人さんの知恵はすごい話塗装職人さんのSNSで「2液型ウレタン塗料で使ったあとの刷毛はラシンで洗ってトシンで保管する」という意見があり妙に感心してしまいました。ちなみにラシンは裸身ではなく業界ではラッカーシンナーのことです。ウレタン塗料は硬化剤のイソシアネートがアルコール、とりわけ低分子アルコールと反応しやすいのでこれを反応停止剤にできます。某大手塗料メーカーのラッカーシンナーSDSを見てみても・・・・もっとも低分子アルコールであるメタノールが含まれていますね。同様のことは2液型エポキシプライマーにも言えますが、こちらは停止剤がアンモニアかアミノアルコールになります。
厄介なのは2液型アクリルシリコン塗料で、これは適当な停止剤がなく、反応を止めるには温度を5℃以下に下げるしかありません。使った後の刷毛を冷蔵庫に入れるくらいですね。
いままでの経験則なのですが、刷毛を大切に扱う職人さんは間違いなく技量に優れています。