2024/08/25
透明性の高い光触媒コーティング液
透明性と高度の親水性とその持続力をすべて叶える光触媒コーティング剤はなかなか実現が難しかったのですが、ようやく目処がたってきました。浴室鏡の防曇用途にも活用できます。
2024/08/03
プレゼンで注目されるための新展示アイテム
8/5に某大手設計事務所でプレゼンの機会を頂けることになりましたので光触媒の斬新な活用方法のご提案も兼ねて新しい展示アイテムを考えました。実演はYouTubeでもアップしておりますが、このような機能を謳える光触媒コーティング剤は他には絶対にないと自信を持って断言します。
2024/07/02
東北大学の外装に施工
仙台を中心に東北地方で施工パートナーとして活躍されているスカイリノベーション社は以前から東北大学のキャンパス各所へ施工されてきましたが、最新の施工例の報告書を送って頂いたのでご紹介します。コロナ対策以外でこんなに頻繁に大学で採用される際はあまりないのではないでしょうか。
2024/06/23
カスタム液剤の消臭用途施工例
仙台を中心に東北地方で施工パートナーとして活躍されているスカイリノベーション社からクルマ車内への施工例報告をいただきました。シートやフロアマットの汗臭、ペット臭は光触媒自体の消臭機能だけでは解決不可能で、強い殺菌機能も必要ですから、金属粉濃度を格段に上げたカスタム液剤をご提供しました。施工後の検査画像もバッチリです。該社は東北大学を含めガラス光触媒施工でも実績を積まれています。
2024/06/09
防虫用の特集が専門誌に掲載されました
ごく一部のヘビーユーザー向けの裏メニュー扱いの「防虫用」ですが、日本を磨く会の機関誌「日本磨き合い通心6月号」に色々な応用例でご紹介されました。会員企業の実際の経験談を交えておられますので当社も更なる改良研究の参考と励みになります。ご興味の方は同会までご連絡下さい。
2024/07/26
光触媒に適したバインダー樹脂とは
前のブログに続きですが、光触媒反応に浸蝕されない樹脂として4フッ化エチレン6フッ化プロピレンコポリマー(FEP)を樹脂成分に採用して1世紀の耐候性を有するフッ素樹脂塗料をほぼ完成しつつあったのですが、じゃあ、その樹脂をそのまま採用して光触媒塗料ができるような気もします。しかし現実にはその問題点だけを克服しても完成しません。光触媒反応のおさらいをしてみましょうホンダフジシマ効果をよくよく顧みると水溶液中の反応であることが分かります。つまり反応に水が介在します。FEPは超撥水性で水をまったく寄せ付けないので光触媒用のバインダー樹脂になりえません。シリコーンもその意味でアウトですね。また、シリケート系のガラス質も水を通さないという意味でアウトっぽい材料です。そこで私が注目したのがナフィオンです。これ以外にも塗装適性という要因も加味していちおう光触媒用の必須条件を大まかに纏めますと1. 光触媒反応に浸蝕されないこと2. 十分長期の耐候性を有すること3. 水を膜内に取り込む性質があること4. 水だけでなくアルコールやこれをその他の有機溶剤にも溶解すること5. 硬化後には十分な耐水性を有すること6. プラスチック等への付着性を有することと6項目が挙げられます。これをすべてクリヤーできる樹脂は今のところナフィオンだけで、やや近い性質の樹脂としてはポリアクリル酸が上げられますがこれは2と4と5が今のところクリアできないので実用にはまだ遠いのが現実です。「耐候性をもつ樹脂主鎖に親水性の枝を付ける」という原理自体は明白ですので、今後これに従った展開での新製品を開発中ですので順次ご報告させて頂く予定です。
2024/07/07
光触媒とフッ素樹脂との関係
光触媒反応は塗料技術の業界では塗膜を劣化させる厄介な反応として、もう40年以上前からよく知られていました。酸化チタンは白色顔料として一般的に塗料成分に採用されていますが、酸化チタンだけでなく酸化鉄、酸化銅、酸化クロム等の金属酸化物も着色顔料として採用されています。そしてこれらはすべて光触媒反応を起こして塗膜を劣化させます。つまり顔料は塗膜の最大の劣化因子と見なされてきました。そんな顔料の光触媒反応によく耐えて長期の耐候性を有する塗料として米国でフッ化ビニリデン塗料が開発されました。塗り替えが不可能な超高層ビルの外装に採用されてきてもう60年以上の実績を積んできています。我が国でも私の知る最古のフッ化ビニリデン塗料採用の建築物は大阪の御堂筋本町ビルでこれはちょうど40年経過していますがまったく劣化の兆しはありません。最大の欠点は230℃以上の高温で焼付け塗装をしなければならないことで、現場施工は不可能です。これを改良すべく、ある種の溶剤に可溶なフッ化度のさらに高いフッ素樹脂塗料を若い頃に開発しつつありました。耐候性は優に1世紀見込める自信作でしたが・・・・同じタイミングでルミフロンが画期的な塗料用フッ素樹脂として市場に登場し、上の研究は残念ながら雲散霧消してしまいました。しかし、これはフッ化度が低いので光触媒反応には十分に耐えません。人生塞翁が馬で、この経緯の経験は私に重要な知見を与えました。無機高分子だけでなく、フッ化度の高いフッ素樹脂は光触媒に1世紀耐える」ということです。これは他の光触媒関係研究者には持ち得ない知見だと思います。
2024/06/08
光触媒コーティング膜にUVカット機能を付与する
透明の光触媒コーティング膜は1ミクロン前後のごく薄膜なので下地を保護しうるほどのUVカット機能を持たせるにはちょっと無理がありました。 この業界では有名なLambert-Beerの法則があり、UV吸収率は正確にこの法則に従います。Log(I0/I1)=ε×c×ℓI0 入射光の強さI1 透過光の強さε(UV吸収剤の吸光係数)c(濃度)ℓ(層の厚み)光触媒であるかないかを問わず酸化チタンはそれ自体がUV吸収剤で日焼け止めにも採用されていますが本来は白色顔料でもありますから、あまり添加すると白濁して見映えが悪くなり、つまりcを大きくはできません。加えてℓは常識外れの薄さです。これを解決するにはεを大きくするしかないです、まず思いつくのが有機系UV吸収剤ですね、当社も色々試してみましたが・・・・複雑な構造の有機物ですが、光触媒の活性酸素でかんたんに変質&開裂する部分が多く、光触媒と共存させると長期の耐久性を謳える材料ではないようです。試行錯誤の上、視点を変えて当社光触媒コーティング液をスライドガラスに塗布後、1ヶ月日光浴させてからUV吸収率の測定に供しました。他の一般的な光触媒コーティング液とことなり金属銅粉が含まれていて、それが光触媒の活性酸素で酸化されて銅イオンCu2+を発生させることが特徴になっていますが、ひょっとしてその薄くブルーに呈色する膜がUV吸収効果を持っているのではないかと考えました。もう繰り返しご紹介している反応ですね。測定中は期待と緊張でヒヤヒヤとしましたが、結果として理想的なUV吸収機能があることが判明しました。1.330nmより短波長領域で50%以上の高いカット率を示す2.375nm付近の光触媒反応に必要なUV光をほとんど遮蔽しない3.光触媒で分解されることはなく、逆にますますカット効果が増す以上の特長でこのレベルの薄膜でありながらUVカット効果つまり下地保護効果が十分に高いことが判明しました。実感できるほどの下地耐候性延長効果を示す唯一の光触媒コーティング剤といえます。
2024/04/17
熱線(赤外線)を効率よく反射するということ
今年も遮熱塗料の需要が増す季節になってきました。省エネ、CO2削減、SDGsをきわめて低コストで達成できる工法としていっそう普及して欲しいですね。もう何度か話題にしてはいますが、その熱線(赤外線)を反射する理論をおさらいさせて頂きます。「白色」は実は色ではありません。光の全(乱)反射をヒトの目が白と認識しているだけです。だから、どれだけ効率よく光を反射させるかがもっとも重要なポイントになります。これは客観的に「屈折率」で評価できます。屈折率の差が大きいとそこで光が屈折&反射されます。空気の屈折率が低い(屈折率1.00)ので、固まりで透明な固体は砕くと例外なく白く見えます。(右がアナターゼ型酸化チタン、左はテフロン粉末)でも、たとえば表中に「体質顔料」がありますね。これは塗料中に大量に含まれますが塗料樹脂(屈折率1.4〜1.6)との差が小さいので混合すると無色になってしまいます。余談ながら「透明になる顔料をなんでわざわざ添加する必要があるのだろう?」とサラリーマン研究者1年生のときに思ったのですが、原価低減という重要かつ秘密の使命があったのですね。なにせ炭酸カルシウムなんか40円/kg(当時)でタダのような値段でした。意外な事実なのですが、酸化チタンはルチルにせよアナターゼにせよダイヤモンドを超える非常に屈折率の高い材料です。固体を144面カットすればダイヤモンドより見事な輝きになります。反射率も従って高く、この粉末は白色顔料としてはピッタリであると言えます。赤外線も光の一部なのでつまりは赤外線を反射させるには酸化チタンが史上最強&最適の顔料であるといえます。ところで、屈折率は波長によって変わります。プリズムで太陽光が可視光線では7色に分かれることはよく知られていますが、波長の長い赤外線は赤のさらに外側になり、つまりは「もっとも屈折&反射させにくい光線」ということになります。これを効率よく反射させるためにはたんに表面を白くするだけでは不十分で、さらに工夫が必要ですね。 現在、この理論をもとにコスパが格段にいい遮熱塗料を某コラボ先と共同開発中ですので近々ご紹介できます、ご期待下さい。
2024/04/03
光触媒でボウフラ駆除を実現する
蚊の幼虫のボウフラは成長が非常に早く、少しの水たまりでも繁殖する厄介な生物です。本来の光触媒はその有機物分解能力が数ヶ月から数年を要しますので、まずこの対策にはなりません。しかし当社光触媒は光触媒の副反応として、成分の金属銅粒子から銅イオンUCu2+が継続的に発生することが特長です。ホームページや各種報告書にご紹介した反応をおさらいしますと光触媒の基本的な反応 光触媒アノード反応 H2O → 2H+ + O2 + 2e 光触媒カソード反応 O2 + 2H+ + 2e → 2OH・ 2OH・ → H2O2当社が開発した独自の付加反応は Cu + H2O2 → Cu2+ + 2OH-銅イオンUCu2+の強いボウフラ駆除効果は国際論文でも再三確認&発表されていて1〜2ppmの薄い濃度で十分に成長阻害&駆除効果が得られるとされています。さらに当社光触媒はバインダーへのナフィオン樹脂の採用で耐水性が非常に優れているため水に没する部分に施工しても長期の耐久性が確保でき塗布した後、水中に銅イオンUCu2+をリリースし続けます。ちなみにリリースされる銅イオンUCu2+の濃度は最大10ppm程度で、一般的なプールの防藻に採用されている濃度と同レベルであり安全性には問題ありません。いわば十円玉を握っているような状態です。数日間でも水が滞留する部位はすべてボウフラ発生源になる可能性があります。屋外で凹んだ部分のある水平面はすべてその候補です。成虫の「蚊」への対策品は世に大量に出回っていますが、ボウフラ対策はまだまだ希少な技術ではないでしょうか。持続力も含めて大いに社会に貢献できると確信しています。
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