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2019年04月27日 [光触媒]

無塗装の鋼材の錆を止めることは可能なのか

身の回りに鋼材が無塗装で使われている例が殆どないのでマニアックな用途と思われがちですが・・・鉄筋コンクリートの鉄筋は立派に無塗装です。エポキシ被覆するとコンクリートとの接着力が落ちるので普及していません。
要するに「コンクリート中の環境を再現する」つまりアルカリ性にするだけでこれが実現できます。
防食試験
鋼製フラットバー試験片の右側だけにアルカリ性にした光触媒クリヤーを塗布して時々散水して経過を観察した結果です。光触媒被膜の厚みは1ミクロンもないほど薄いのですが立派に防食機能を出しています。・・・ただ誤解のないように、これは光触媒が効いているのではなくアルカリ性が効いているだけです。
もう何度か同じネタを使い回しているので漫才師としては失格ですが、学校の先生はそんなものですので再度プールベ図を・・・・・
プールベ説明
縦軸に電位、横軸にpHをとって腐食のしやすさを図で表したものですが錆発生環境がピンク、表面に不動態が形成されて安定している環境が黄色、金属そのままの状態で安定な環境が青で示されています。錆びやすいAをBに移動させる、つまり酸からアルカリにするのが一般的には錆転換剤と呼ばれている技術です。もっと塗装とセットで使われてもいいのですが強アルカリ性に耐える有機ポリマーがあまりないので進んでいません。当社の光触媒コーティングはNafionですから有機ポリマーとしては例外的に強アルカリに強靱です、もっとこの分野に活用したいです。
光触媒を除いて膜をアルカリにしただけでももちろん効きます、鉄鋼製品を貯蔵しておくときの1次防食に使えますね。
単なるアルカリところで「この方法でだいたい防食は解決するわい」と思っているととんでもない伏兵が待っています。海水や海塩粒子に含まれている塩化物イオンClーと排気ガスに含まれている(亜)硝酸イオンNO2-,NO3−です。これらがあると不動態が破壊されますので実質上安定であるべき黄色の領域が消滅します。錆を防ぐにはAからBは無意味でAからCにしないと・・・・でも奥の手ももありますので近々こっそり公開します、ご期待下さい。
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