2024/04/19
PIAJ性能判定基準と実際の性能
日本を磨く会の会報「日本を磨きあい通心」の4月号でたばこの消臭に関する理論を記事にしていただきましたので、いい機会なのPIAJ判定基準が実際の施工現場でどの程度の能力発揮に相当するのかを解決させていただきました。たとえばアセトアルデヒドでは0.17μmol/hと定められていますが、これはたとえばタバコ何本分なのか?というお話なので理論編といえども難しい内容ではありません。ご興味の折には同会にお問い合わせください。
2024/02/22
レジャーテント用光触媒の本格販売
グランピングテントメーカーでもあるNEXT GRAMP社がドームテント専用の光触媒コーティング剤の販売を本格化させます。もちろんグランピングテントだけでなく通常のレジャーテントやタープ、シュラフ等のファブリックの収納保管時のカビ防止にも効果がありますのでどんどん同社にお問い合わせ頂きたいです。当社は専用液剤のレシピのご提供で提携しております。
2024/02/07
防虫タイプに季節外れの需要
光触媒にメトフルトリンを追加して防虫機能を付加した液剤は夏場しか需要がないはずなのですが、この冬に意外な注文が寄せられました。リピートももちろん頂戴しています。どうもトコジラミ対策に貢献しているようですね。
2023/12/15
介護施設の臭気対策
当社の有力コラボ先であるニルバホーム社が施工会員向けに光触媒での介護施設の臭気他の対策提案でPRしていただくことになりました。珪藻土だけの臭気対策とことなり、臭気以外に感染症対策にもなりますし、加えてカーテンやカーペット、寝具等にも施工できる応用範囲の広さや臭気ガスの飽和がない長寿命も売りですね。お問い合わせは同社までお願いします。モニター施工もされているようです。
2023/11/19
レジャー&アウトドアジャパン2023
当社のグランピングテント業界でのコラボ先であるNEXT GRAMP社が東京ビッグサイトで11/28~11/30に開催される表記の展示会に出展されることになりました。他のブースでは絶対に見られない見もの、とくに当社とのコラボ商品でもある高級テント専用光触媒コーティング剤も実演出展されますのでぜひともご来場ください。テントの内外の付加価値向上に非常に効果的な液剤をご覧になれます。
2024/04/17
熱線(赤外線)を効率よく反射するということ
今年も遮熱塗料の需要が増す季節になってきました。省エネ、CO2削減、SDGsをきわめて低コストで達成できる工法としていっそう普及して欲しいですね。もう何度か話題にしてはいますが、その熱線(赤外線)を反射する理論をおさらいさせて頂きます。「白色」は実は色ではありません。光の全(乱)反射をヒトの目が白と認識しているだけです。だから、どれだけ効率よく光を反射させるかがもっとも重要なポイントになります。これは客観的に「屈折率」で評価できます。屈折率の差が大きいとそこで光が屈折&反射されます。空気の屈折率が低い(屈折率1.00)ので、固まりで透明な固体は砕くと例外なく白く見えます。(右がアナターゼ型酸化チタン、左はテフロン粉末)でも、たとえば表中に「体質顔料」がありますね。これは塗料中に大量に含まれますが塗料樹脂(屈折率1.4〜1.6)との差が小さいので混合すると無色になってしまいます。余談ながら「透明になる顔料をなんでわざわざ添加する必要があるのだろう?」とサラリーマン研究者1年生のときに思ったのですが、原価低減という重要かつ秘密の使命があったのですね。なにせ炭酸カルシウムなんか40円/kg(当時)でタダのような値段でした。意外な事実なのですが、酸化チタンはルチルにせよアナターゼにせよダイヤモンドを超える非常に屈折率の高い材料です。固体を144面カットすればダイヤモンドより見事な輝きになります。反射率も従って高く、この粉末は白色顔料としてはピッタリであると言えます。赤外線も光の一部なのでつまりは赤外線を反射させるには酸化チタンが史上最強&最適の顔料であるといえます。ところで、屈折率は波長によって変わります。プリズムで太陽光が可視光線では7色に分かれることはよく知られていますが、波長の長い赤外線は赤のさらに外側になり、つまりは「もっとも屈折&反射させにくい光線」ということになります。これを効率よく反射させるためにはたんに表面を白くするだけでは不十分で、さらに工夫が必要ですね。 現在、この理論をもとにコスパが格段にいい遮熱塗料を某コラボ先と共同開発中ですので近々ご紹介できます、ご期待下さい。
2024/04/03
光触媒でボウフラ駆除を実現する
蚊の幼虫のボウフラは成長が非常に早く、少しの水たまりでも繁殖する厄介な生物です。本来の光触媒はその有機物分解能力が数ヶ月から数年を要しますので、まずこの対策にはなりません。しかし当社光触媒は光触媒の副反応として、成分の金属銅粒子から銅イオンUCu2+が継続的に発生することが特長です。ホームページや各種報告書にご紹介した反応をおさらいしますと光触媒の基本的な反応 光触媒アノード反応 H2O → 2H+ + O2 + 2e 光触媒カソード反応 O2 + 2H+ + 2e → 2OH・ 2OH・ → H2O2当社が開発した独自の付加反応は Cu + H2O2 → Cu2+ + 2OH-銅イオンUCu2+の強いボウフラ駆除効果は国際論文でも再三確認&発表されていて1〜2ppmの薄い濃度で十分に成長阻害&駆除効果が得られるとされています。さらに当社光触媒はバインダーへのナフィオン樹脂の採用で耐水性が非常に優れているため水に没する部分に施工しても長期の耐久性が確保でき塗布した後、水中に銅イオンUCu2+をリリースし続けます。ちなみにリリースされる銅イオンUCu2+の濃度は最大10ppm程度で、一般的なプールの防藻に採用されている濃度と同レベルであり安全性には問題ありません。いわば十円玉を握っているような状態です。数日間でも水が滞留する部位はすべてボウフラ発生源になる可能性があります。屋外で凹んだ部分のある水平面はすべてその候補です。成虫の「蚊」への対策品は世に大量に出回っていますが、ボウフラ対策はまだまだ希少な技術ではないでしょうか。持続力も含めて大いに社会に貢献できると確信しています。
2024/03/17
水槽用防藻光触媒の開発
表題の件はとくに透明アクリル水槽用としてナックジャパン社と共同開発中ですが最近また大きな進展がありました。画像も含めてデータを頂戴しましたのでご披露します。右側の水槽に塗布して2ヶ月目ですが水を白濁させることなく顕著な防藻効果が見られます。透明性を維持したまま施工すべく、液剤だけでなく仕様にも工夫を凝らしていますが、原理としては以前にご紹介した通りですので再度ご紹介します。内外装での防カビ効果の発現と同じ反応で、水と酸素を必須要素とする反応ですが水槽中は「水は豊富にあるが溶存酸素が少ない」という決定的な違いがあります。光触媒が酸素を消費するので酸素を耐えずエアレーターで供給しないと魚が酸欠死することになります。銅イオンの水中への溶出制御も含めて魚類への安全性確保に尚も改良を進めますがもうこの用途では広く実用化の域に達していると考えられますので特別なブランド名で市販もさせて頂くことになりました。お問い合わせはナックジャパン社の親会社のアクアリゾート社にお願いします。水没する分野ではなく間歇的に水のかかる部位での防藻効果は1年以上継続することも実験で確認しています。(この水槽プラスチック蓋の右半分)
2024/02/10
超促進耐候性試験機メタルウェザー
当社の最重要コラボ先である協立技研株式会社がこのたび超促進耐候性試験機であるメタルウェザーを導入されました。純粋な施工会社としては世界初の例です(メーカー調べ)。空調完備の専用ルームも用意する必要があり相当な投資ですので導入に深くかかわった北村もこれからの運用で渾身のサポートをさせていただこうと考えております。一般的な促進耐候性試験機として有名なサンシャインウェザーメーターは時間が掛かるわりに自然曝露との相関が薄いという問題点を抱えていますがこのメタルウェザーは「無機顔料を含んだプラスチック」に限ってはほぼ正確でかつ促進性の高い耐候性予測ができるとされています。一説によれば3ヶ月でほぼ10年相当の自然曝露の再現が可能であると考えられています。ところで無機顔料はほぼすべて金属酸化物で、これらは光励起される半導体つまり「光触媒」として機能します。有名な酸化チタンだけではないのですね。だからこれらを含んだ塗料は劣化の主原因が光触媒反応です、単純な紫外線による光分解ではありません。従って塗膜の耐候性試験は強い(つまり短波長の)UV光を当てるだけでは促進されませんし、かえって自然界では起こらないような劣化現象になります。つまり370nm付近の、光触媒反応に最適な波長の近UV光を潤沢に浴びさせる環境が理想的なのですが、この試験機に採用されているメタルハライドランプはまさに理想的な波長分布をしていますね。蛇足ですが顔料を含まない透明なプラスチックの白濁劣化、木材の日焼けやタイヤの亀裂等は一般にUV-Bと称せられる短波長UVの仕業であるとされていますので逆にこの試験機では十分な促進効果はえられないと思われます。対象物により促進耐候試験機も使い分けが重要です。
2024/01/01
シリコーンと光触媒は本来相性がよくない
ケイ素(Silicon)はなかなかクセの強い元素で扱いが難しいです。それを樹脂の主鎖にしたのがシリコーン(Silicone)です。天然の環境下ではケイ素は必ず酸素と手をつないでいます。 Si-Oですね、天然にはこの結合しか存在しないのですが、厄介なことにSi-Oは相手があると永遠にこの反応を続けます。そしてケイ素の手が4本もありますから、3次元的な高分子を作ることになります。たとえばガラスですね。なんとか無駄に反応したがるケイ素を飼い慣らそうと、その2本だけ炭素とくっつけたのがシリコーンの始まりです。ケイ素と炭素の直接結合は、フッ素と炭素の直接結合と同じく人間が人工的に作り出した化学結合ですが、非常に安定でケイ素はやっと線形にしか伸びなくなりました。ケイ素を含む高分子はガラスのように非常に「硬い」というイメージがあったのですが、これで「もの凄く伸びて柔らかい」という正反対の性質の革命的な樹脂であるシリコーンが発明されたのは1934年、フッ素樹脂発明の4年前でした。あの頃のアメリカ有機化学界は元気でした。たとえばその代表選手であるシリコーンシーラントは実用上ゆうに1世紀を超える耐候性があるとされていますので光触媒のバインダーとしても優れているのではないかと、かねてから着目はしておりましたが、致命的な難点があります。「強烈な撥水性」ですね、これは人工的に作られたケイ素と炭素の直接結合に拠るものと考えられますが・・・光触媒は水の分解反応であり、そもそも表面を親水性にしてこそ効果を発揮する現象ですので、この超超超撥水性のシリコーンを使いあぐねてきたのが正直な経緯です。しかし現在ブレークスルーを見いだしました。乞うご期待!
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